大腿骨頸部骨折が要介護を招く!?

※医学的には「大腿骨近位部骨折」という名称も用いられますが、 当サイトでは親しみやすい「大腿骨頸部骨折」と表現しています。

明日起こるかも〜大腿骨頸部骨折の予防法

大腿骨頸部骨折を予防するための3本柱

大腿骨頸部骨折を起こさないようにするためには、 @骨粗しょう症の治療、 A転倒の防止、 B転倒したときの衝撃緩和、 この3点を中心に考える必要があります。

骨粗しょう症の治療 大腿骨頸部骨折は、骨粗しょう症で骨がもろくなっている患者さんが転倒した際などで起こる骨折です。そのため、まずは骨粗しょう症の治療を行い、丈夫な骨へと改善していく必要があります。
転倒の防止 大腿骨頸部骨折のおよそ9割が転倒によるものとされています。転倒は一瞬にして起こるものですが、起きてしまうと長期間にわたる治療を余儀なくされることになります。一瞬のアクシデントを防ぐには、さまざまな観点からの防止対策が必要です。
転倒したときの衝撃緩和 万が一転倒してしまった場合でも、骨まで届く衝撃をなるべく減らそうとする方法です。外から加わる力をやわらげるため、体を保護する装具を身につけることが有効です。

まずは、骨粗しょう症を治療して強い骨づくりを

骨粗しょう症の治療法としてはまず、食事や運動による骨の強化が重要です。しかし、すでに症状が進行しており、骨密度が大幅に低下している患者さんの場合、このような生活改善だけで骨密度を増やすには年月がかかりすぎます。骨粗しょう症の進んだ患者さんの骨折予防には、薬剤を用いた治療を行うことが必要となります。

現在、骨粗しょう症の治療に用いられているおもな薬剤には、ビスフォスフォネート製剤、ラロキシフェン塩酸塩製剤、活性型ビタミンD3製剤があり、その他にもビタミンK2製剤、エストロゲン製剤、カルシトニン製剤、イプリフラボン製剤、副甲状腺ホルモン製剤などがあります。

その中でも、これまでに行われている大規模な試験の結果から、大腿骨頸部骨折に対し、ビスフォスフォネート製剤の1つであるアレンドロネートが、大腿骨頸部骨折の危険性を50%以上も下げることが明らかになっています。

骨粗しょう症の治療について(いいほね.jpへ移動します)

大腿骨頸部骨折に対する効果

大腿骨頸部骨折に対する効果

一瞬のできごと、転倒を防ぐポイントとは?

転倒は高齢者の運動機能や筋力の低下、視力・聴力低下などが原因となって生じますが、患者さんが暮らしている環境にも、転倒を招く危険がひそんでいます。

転倒というと階段からの転落や、大きな段差でのつまずきを想像するかもしれませんが、実際には、家庭内にある思いがけないものが原因となって起こり得ます。

こんなことで転びやすい

チェック!こんなことで転びやすい □玄関など、段差のあるところが暗い
□階段や浴室、トイレに手すりがない
□すべるような床材が使用されている
□じゅうたんなどの敷物にほころびがある
□床に新聞紙、座布団などが置かれている
□電気コード類が散乱している
□スリッパやサンダルを使用している

上記のような転倒の原因となる物に対する注意を払うことは、家庭内における転倒防止に有効ですが、対策を講じたからといってそれで安心というわけではありません。大腿骨頸部骨折の予防には、何よりもご家族や周囲の人々の高齢者を見守る目、転倒の危険に気づく力が効果を発揮するといえるでしょう。

万が一転んでも、衝撃を減らせる予防策を

事故などで衝撃が加わっても、骨を保護する装具や装置を身につけることで、受ける外力を最小限にしようとする考え方があります。たとえば、工事現場で作業員がかぶるヘルメット、自動車にそなえつけられたシートベルトやエアバッグなどがその例として挙げられます。

ヒッププロテクターそれを高齢者の骨折防止策として応用したものが、「ヒッププロテクター」です。転倒したとき、外から加わる衝撃が骨に到達するのを少しでも減らせるような素材を臀部に埋めこんだパンツ「ヒッププロテクター」が製品化されており、これまでに介護施設内での大腿骨頸部骨折の発生率を減少させたという報告があります。

ただし、ヒッププロテクターの装着には違和感もあるため、患者さんが毎日身につけやすい製品を選ぶことも大切です。

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